若菜1~再会~

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「若菜、誰かおるのか」 弓道場に白髪の凛々しい老人が入ってきた。 あっあれは…綾崎老… 「誰じゃ、その若者は」 若菜は僕を守るように綾崎老の前に出た。 「お爺さま、この方はわたくしの小学校の同級生です わたくしがお呼びしたんです」 「すいません、お邪魔してます」 僕は急いで立ち上がり頭を下げた。 「客人、泊まるところはあるのか?」 「えっ、いえまだ決めていません」 「では家に泊まっていけ」 綾崎老は素っ気なく言うと道場から出ていった。 「お爺さま、ありがとうございます」 若菜ははずむような声で礼を言い、僕に微笑む。 「ごめんね、突然来たのに」 そして嘘までつかせてしまった… 僕は若菜に頭を下げる。 「お気になさらないで下さい さぁ、お部屋へ案内いたします」 若菜は嬉しそうに僕にまた微笑んだ。
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