彼女へのI

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あぁ、今日は1月1日か、だから彼女年越してから帰ってきたのか…どれくらい待ってたんだろう馬鹿だな。 新年にこんなことになってついてない。 『花言葉好きなんですか?』 不意に声をかけられて驚いた。 誰だろうとそちらに向くと彼女の友達だった。 『朝早いんだね、こんな時間にどこいくの?』 質問を質問で投げかけてしまった。 早く家を出たくて始発の電車に乗ろうとしてたのだ誰もいないホームだったのだから驚いた。 『心配になって、来てしまったんです』 彼女は明るい子だったけど友達というには真逆の大人しくて僕と似た雰囲気の子だとは思っていた。 『聞いたんだね』 僕の目を見て悲しそうに頷く、優しい子だ。 『私……あなたが幸せならいいかなって思ってたんです…でも!』 なにか決意して言おうとしていた時、電車が来たのかうるさい音がして聞こえなくなってしまった。 僕はこんな状況でも穏やかに笑えるんだなと思った目の前の子に感謝した。 『ありがとう』 その子が何を言いたかったのか分からないけど、もう一度聞くほど僕の心にもゆとりがなくて、付いた電車に乗った。 もう何も考えたくなかった。 次会う幸せを大切にしよう 今度は僕の人生を最後まであげたくなる人に 今日は新年なのだから 電車が実家に着くまでには気持ちを新しくしようと決めて ゆっくりと揺られることにした。
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