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1時間しか時間がないので早送りで進めていく。
もし、何か映っていたら…。
例えば、それが長い髪の女だったり。
例えば、それが全身の関節がおかしな方向に曲がっている男だったり。
そんな不安とも、恐怖ともとれる感情が俺の中で渦を巻いていた。
ビデオカメラは俺の気持ちなんて知らずにどんどん、どんどん俺が寝ている間の真実を映し出していく。
ゴソ…
そんな音がして、画面の中の俺が携帯を手に取った。
ビデオカメラの時間を見ると5時になっていた。
俺が寝ている間、特に何かが動いた訳でも、移動した訳でもなく
ただ、時間だけが過ぎていた。
なんだ。
やっぱり全て俺の気のせいじゃないか!
俺は安心して会社へ向かう準備をする。
よし、今日はいつもより時間もあったし、晴れ晴れした気持ちで会社に迎える!
だが、出発までにまだ30分程時間があった。
そうだ!
何もなかった記念にもう一度ビデオカメラを見てみよう。
ンーーーーーーーーーーーーー
と音が鳴りながらもう朝一度見た映像が流れ出す。
ああ!
そうだ!今日は少し早く会社に行こう!
流れ出した映像を無理矢理止めて
俺は家を出た。
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