どこから?

13/16
前へ
/16ページ
次へ
1時間しか時間がないので早送りで進めていく。 もし、何か映っていたら…。 例えば、それが長い髪の女だったり。 例えば、それが全身の関節がおかしな方向に曲がっている男だったり。 そんな不安とも、恐怖ともとれる感情が俺の中で渦を巻いていた。 ビデオカメラは俺の気持ちなんて知らずにどんどん、どんどん俺が寝ている間の真実を映し出していく。 ゴソ… そんな音がして、画面の中の俺が携帯を手に取った。 ビデオカメラの時間を見ると5時になっていた。 俺が寝ている間、特に何かが動いた訳でも、移動した訳でもなく ただ、時間だけが過ぎていた。 なんだ。 やっぱり全て俺の気のせいじゃないか! 俺は安心して会社へ向かう準備をする。 よし、今日はいつもより時間もあったし、晴れ晴れした気持ちで会社に迎える! だが、出発までにまだ30分程時間があった。 そうだ! 何もなかった記念にもう一度ビデオカメラを見てみよう。 ンーーーーーーーーーーーーー と音が鳴りながらもう朝一度見た映像が流れ出す。 ああ! そうだ!今日は少し早く会社に行こう! 流れ出した映像を無理矢理止めて 俺は家を出た。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加