13人が本棚に入れています
本棚に追加
25歳独身の俺の身の丈に合った
マンション5階の2DKの部屋。
そろそろ結婚を考え始めてもいい年なのだが、そもそも今彼女がいなかった。
彼女の一人や二人いれば俺の生活音と独り言しか響かないこの部屋も、もっと明るくなるのに…。
そう思いながら俺はビールを一口飲んだ。
ゴクリと喉を鳴らす音が部屋の中に響き渡った。
「でも、俺の家には押入れはないからなあ。」
さっきの怖い話特集の中で出てきた押入れについての一人議論を始める。
「押入れかあ。俺、まだ見たことないなあ。実家にも押入れは無かったし、この部屋も押入れじゃなくてクローゼットだしなあ。」
終わりの見えない一人議論を繰り返していると急に睡魔に襲われた。
「こういう、怖い話になるような体験っていつ、どこでするんだろうなあ。
こういう話を1つくらい持っていれば合コンでも話が盛り上がったりするのかなあ…?」
睡魔に負けじと一人議論を続けたが睡魔には勝てず、俺はそのまま床で眠った。
最初のコメントを投稿しよう!