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「んっ…?」
何分くらい経ったのだろうか。
急に寒くなってきて目が覚めた。
見ると俺のもたれ掛かっていたドアの窓が開いている。
「ちょっと、運転手さん?何で窓を開けてるの?
こんな冬なのに…。寒いじゃん。」
「えっ?あれ?開けたつもりは…。
いえ、申し訳ございませんでした?」
そう言って運転手さんは窓を閉めた。
そういえば、最近よく『隙間』に遭遇する様な気がする。
何となく、何となくだが気味が悪かった。
間も無くしてタクシーが俺の家の前で止まった。
料金を支払い、エントランスからエレベーターに乗り部屋の前まで歩く。
部屋の鍵を開け、中に入り鍵を閉める。
リビングに向かおうと廊下を4歩程歩いた時だった。
キィィィイ
ゆっくり扉を開ける様な音がした。
びっくりして、勢いよく振り返ったが俺の部屋の扉は開いておらず、鍵もしっかり掛かっていた。
「なんだ?隣か?…。気味が悪いな…。」
ただ、廊下に俺の独り言が響いただけだった。
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