episode206 Downfall

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「なんだと?おまえが悪いに決まってるじゃないか……!」 「危ないっ……」 「おっと」 くだを巻いた征司は 足元のワインボトルに躓いて僕の上に倒れ込む。 「ちょっと、お兄様……!」 「おや、こういうのバレンシアガの新作コレクションで見たな」 「出てるわけないでしょう」 「いや、確かに見た」 征司は僕の腰布の裾を摘まみ上げ 馬鹿を言ってまた笑い転げた。 「本当にいつまでもそんな風だと――」 「そんな風だとなんだ?」 「そんな風だと……何だっけ?」 僕らひどく 酔っていた。 「馬鹿な赤い口だ。閉じろ」 「ン……」 「いや、開けろ」 2人して――。
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