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「なんだと?おまえが悪いに決まってるじゃないか……!」
「危ないっ……」
「おっと」
くだを巻いた征司は
足元のワインボトルに躓いて僕の上に倒れ込む。
「ちょっと、お兄様……!」
「おや、こういうのバレンシアガの新作コレクションで見たな」
「出てるわけないでしょう」
「いや、確かに見た」
征司は僕の腰布の裾を摘まみ上げ
馬鹿を言ってまた笑い転げた。
「本当にいつまでもそんな風だと――」
「そんな風だとなんだ?」
「そんな風だと……何だっけ?」
僕らひどく
酔っていた。
「馬鹿な赤い口だ。閉じろ」
「ン……」
「いや、開けろ」
2人して――。
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