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「おい、どこへ行く?」
「聞こえたでしょう。書類にサインしないと」
胸元まで下りてくる
熱いキスから逃れると。
下敷きになったガウンを引きずり
やっとのことで僕はベッドから這い出した。
「おまえのサイン?ふん!猫のゲロの方がマシだ」
「すぐ戻りますから」
「いいや、戻ってくるな。ゲロ吐く猫は砂場にでも行け!」
「……ったく」
たちの悪い酔っ払いに
ワインで湿った腰布を投げつけて。
「ごめんごめん。待たせたね」
ガウンの紐を結びつつ
僕はベッドルームの外に立つ満の元へ。
「大丈夫……なんですか?」
がなる野獣を閉じ込めるように
ベッドルームの扉を閉めてしまうと。
「ん?」
「……征司様です」
満はおそるおそる口を開いた。
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