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帰り道。家の近くの小道を歩く頃、日は落ちかけていた。
すっかり乾いたベンチが私を出迎える。紫陽花は、ざわざわと夏風を音に変えていた。
…乾いたベンチの方が絶対に座りやすいのに。
ふと、金髪の彼の事を思い出した。
ベンチに座ってみる。
紫陽花に囲まれて、自分が何か特別な存在になったようなそんな感覚がした。
花に囲まれて歓迎される王様のようなそんなイメージだ。
…何やってんだろ、私。
風は私を現実へ引き戻す。
私は遠くに見える雲を眺めて立ち上がった。
…明日も晴れそうだ。
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