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※ ※※
ウトウトしているとオレの携帯が鳴った。
智樹がゆっくりでいいからなって言って部屋を出ていった。
携帯画面をタップしてつなぐ。
「かなた…今平気なのか?」
海外からの電話、声が近くに感じる程クリアだ、
『ん、平気』
「どこに居るんだ? 寮? 家?」って聞く父さん。
『家に帰ってる』
「で? 決めたの?」
『うん、今日倉田も一緒に来てるから長く話せないから、要件だけ言うね』
って言うと電話の向こうで小さな相槌が聞こえて話し始めた。
『1学期が終わったら寮を出ようと思ってるんだけど? 構わない?』
一瞬の沈黙の後、
「それでいいのか? 倉田君は?」
『 …ん、父さん、倉田も一緒に家に戻りたいんだけど? 一緒に住みたい…駄目かな?』
今度はすぐに話し出す父さん
「倉田君本人はなんて?」
『や、まだ話してないんだ… 父さんたちの許可が最優先だと思って…』
「んーー そっか、前にも話したけど父さんたちは構わないけど…倉田君のご両親にとっても大事なひとり息子だからなー」
『ん、分かってる、 だから倉田が家に住むってなったら父さんに話に行ってもらう事になると思うんだけど? 倉田に一緒に寮を出るかって聞いてもいいかな? 』
電話の向こうで母さんに今の内容を話してるのが分かった。
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