10 寮を出るまで

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『な、オレ…1学期が終わったら寮を出る事にしたんだ』 って風呂から出て隣に座る智樹に話す。 智樹は(はぁ?)って…目を見開き 「え? 何言ってんの?」ってオレの顔を見た。 だからオレも智樹を見る。 「なんでぇ?なんで寮を出るの?」 『もうさ、オレも高2じゃん、家からだって通えるし…』 オレの顔から視線を外さず見つめる。 「 … 」 『オレが居なくても平気?』 「 … 」 何か言いたそーな顔が…キツく目付きでオレを睨む こんな時に可愛いと思ってしまうオレ… もう少し困らせたい気がして黙り込んでた。 智樹…早く何か言えよ… 空気が止まってた… 智樹が大きく息を吸うまでは… ゆっくり息を吐きながら話し出す… 「…オレ、 平気だから… 学校で会えるし…」 視線を外さず怒りの声でそこまで言って黙り込む… 『 智樹は平気なんだね?』 オレは意地悪く聞く。 オレを睨む目が輝きを増す… 「……平気、だよ…」 目に涙が溜まりだす…
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