10 寮を出るまで

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『 オレは全然、平気じゃないんだけど…』 智樹の目から涙から流れ 「… 何言ってんの? かなたが寮を出るって言ったんじゃん」 『 オレから離れるな…』 「 …… 」 涙を流しながら無言で睨みつける。 脚の上に置かれた手にオレの手を重ねた… 『 …オレ、父さんに言ったんだ…』 睨みつける目が緩む… それでもオレから視線を外さず聞いていた… 『 倉田と一緒に家に戻りたい、一緒に住みたいって話した 』 「 え? 」 凄く驚いた顔した 『 オレ、今 全く余裕無いんだ 』 智樹が(ん?)って顔をした… 『 お前が好きだと気が付いて、一緒に居られるだけで嬉しくて…でも、キスして体に触れて…もう絶対に離せないと思うと…オレ限界なんだわ 』 隣の智樹を抱きしめた… 泣きながら鼻をすする智樹 『 一緒に寮出て、ここから通う事になったから…』 「オレ何も聞かされてないから…」 『 うん、何も言ってないし』 肩におでこを乗せてる智樹の耳にキスをした。 赤く染る耳元で 『 今後の事は何も心配しなくていいからね、智樹んちにも父さんが話に行ってくれるし…』 そこまで言うと智樹は更に泣き出した…
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