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オレは滝 かなた。
物心ついた頃から遊び相手は女の子ばかりだったオレの
先々を考え親が初等部から山學に入れた。
入学式の日に初めて会った倉田と友達になりたいと
言ったオレに母親は驚いたそうだ。
これはだいぶ後になってから聞いた話だけど…
それまでは男の子を前にすると親の陰に
隠れる様な子だったオレが倉田と友達になりたいなんて言うもんだから
式の後で母親は倉田に
『かなたって言うの仲良くしてね』って
声を掛けてくれた。
それから仲良くなり休み時間はいつも一緒に居たし、
電車通学だったオレたちは同じ沿線の隣の駅から通っていた。
だから帰りも一緒に帰った。
オレの方が先に降りるからいつも
倉田の乗る電車を見送ってから帰った。
クラスが変わっても 中等部に上がっても
いつも同じ距離感でいられる友達と安心していた。
中3のあの時までは…
急にオレから離れて距離を置くようになった倉田。
その時、既に9年間も一緒に居たのに
オレは淋しかった… 置いて行かれた気がした。
その気持ちが何なのか?
ずっと解らなかったんだ。
高等部に上がると親の都合で寮へ入れられ寮生活が始まった。
まぁー この1年間色んな事があって…
自分自身の事を言えば彼女? 彼氏?
や…女じゃ無いから彼氏かなぁ…
……が出来た!
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