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空を見上げると快晴。フードの合間から覗く青空に、ミスティは目を細める。これからどんどん蒸し暑くなってくることを考えると、早朝買い物は人目を忍び暑さ対策もでき、一石二鳥だ。
ーー後は帰るだけ……なんだけど。
「おーーい、ミスティ。オレを置いていくなよ~~っ」
振り返ると目に入るセロの姿。どうすれば、この人は帰ってくれるのか脳内計算を繰り返す間。二人に近づいてくる人影一つ。
「へえ。貴女はミスティ、という名なのですか。奇しくも僕の探し人と同じだ」
ーーこ、この声はっ。
ミスティはこの声に聞き覚えがあった。もし、この声の主が、あの人だと……とてつもない窮地に立たされることになる。自分の予想が外れていることを強く願いながら、声の聞こえた方に恐る恐る向き直った。するとーーーー。
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