だい六話 美少女の方から接近してきちゃいました

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だい六話 美少女の方から接近してきちゃいました

結局、それ以降はこの女子と話す機会もないまま昼食の時間となった。 一人で食堂へいき、ベーコンマヨのパンとしょうゆ唐揚げ、紙パックの珈琲を買う。 食堂内はみんなワイワイしているがぼっちの俺には誰とも加わることができないので、そのままそっと食堂から出て校舎側へ向かう。 あの隣にいた美少女の名前なんていうんだろうか。 そういえばいままで一度も自分の周りに居た人の顔なんて気にもしなかったし名前も全然しらなかったな。 逆に俺の名前を覚えてくれてることが少しうれしかった。 でも俺のようなブサメンがあんな美少女に声を書かけてはいけないような気がしたので、これ以上深く考えるのはやめることにした。 教室でこの買ってきたパンを食うのも苦手だ。 え?ぼっち飯? そうだよ。 便所飯じゃねーよ。歩きながらパンを包んでいるビニールを破りかぶりつく! こうすれば教室に戻るまでに食べ終われるってことよ。 途中、生徒指導室の前を通過してから階段を登るのだが、そこで早速、怒鳴られる! 「歩き食い禁止つってんだろが」 階段を登っていると背後で俺の名を呼びかけた。 「歩き食い禁止だって~」 あの美少女! おれは振り返り彼女を見る。 さっきはチラ見程度しかできなかったが、今度はしっかりと見れた。 ぱっつん前髪にセミロングの内巻きヘアだ! しかしふと疑問がよぎった。なぜこうも俺に話しかけてくるのか。 少し怖くなってきた。 きっと彼女のバックにはくっそヤバイDQNとかいるんじゃないだろうか? やはり美人局か!? 確率としては80%は優に超える。 へんなことが頭をよぎって、硬直している俺に近づいてくる。 彼女も手にパンを握っている。おれと同じ歩き食いかよ。 眼力120%。少しケバいんじゃね?って思われるかもしれないが、美少女だからそんなことどうでもいいくらいのアイメイクだ。ちょっと怖い。 俺をガン見。 やっぱり怖い。 超絶接近中!俺は何を思ったのかとっさに屈み頭を守るように両手でガードした。 「ちょ、山田くん、どうしたの」 「あ? え? いや、あはは」 香水の匂いが漂うほど距離を詰めてきた彼女が、困惑した顔で突っ立っている。 「怖いとか思ったんじゃないでしょうね?」 「いや、まさか……。まあ、そうだけど」 「あたしのバックに怖いお兄さんたちがいると思ったんじゃないでしょうね?」 「いや、ままままさか」 図星。
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