No.5『首無し鴉』

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No.5『首無し鴉』

夕方、鴉がいた。 群れ自体にはとくに変わったところは無かったが一つだけ変なところがあるとすれば群れの少し後ろを飛ぶ1羽の鴉だろうか その1羽はどことなく頼りなくふらふらと左右に揺れながら飛んでおり今にも落ちそうだった。 見た目は鴉特有の黒い羽根に覆われ少し大柄の鴉で立派な姿をしている   『頭を除けば』 その鴉には『頭』が無かった。 生まれつきなのか それともどこかで落としてしまったのか …それはわからなかった。 群れが電線の上で羽根を休め始めると首無しの鴉も群れから少し離れた電柱のところで羽根を休めた。 首無しの鴉は恐らく他の鴉からは嫌われているのだろう 頭は無いがその鴉はどこか寂しそうだった。 『黄昏の目撃談より』
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