第二章 冒険は突然に……。

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――町の酒場―― こじんまりとした酒場にいろんな人たちが集まっている。 和気あいあいと酒を楽しんでいる。 酒場にはステージがありどうやらここでショーが開かれるようだ。 「いらっしゃい。 あら、子供連れ?」 受付の女がトーマとリオをジロジロと見ている。 「……知り合いの踊り子が出るんだ。 同伴でもいいだろう」 トーマは受付の女にチップを渡す。 「いいわよ。 お兄さん可愛いし」 チップを貰って気をよくしたのか受付の女はニコニコしている。 「ありがとな」 受付の女に手を振りトーマは空いているテーブル席へと向かった。 「……女受けいいんだな」 トーマの後についてリオもテーブルにつく。 「顔には自信がある」 何食わぬ顔でトーマは言う。 「ケッ。 結構毛だらけですね」 トーマのすまし顔を見てリオは呆れる。 「ミルクでも飲んでショーを見てろ」 ドンとトーマはリオの前にミルクを置いた。 「まだはじまってないだろう」 文句を言いながらもリオはミルクを一気に飲み干した。 「もうはじまる」 そう言ってトーマはステージに目やった。 トーマの言葉通り踊り子のショーが始まった。 「綺麗な人だ」 綺麗な長い赤い髪をなびかせスタイル抜群の踊り子が優雅に踊る。
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