第二章 冒険は突然に……。

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「へぇ。 貴方が城下町ねー。 よく行く気になったわね」 トーマの話を聞いてイオリはちょっと驚いている。 「騒がれたくなかったしな」 チラッとトーマはリオを見る。 「何か不備でも?」 トーマの視線なんてお構いなしにリオは話を進める。 「トーマはよろず屋、あたしは踊り子。 あたし達はね、旅をしながらやってるの。 二人とも目標はそれぞれ一人前になること。 だからあまり目立つ行動はしたくないわけよ」 溜息混じりにイオリは説明する。 「別に城下町に行くくらいだったら目立たないだろ?」 不思議そうにリオはトーマを見る。 「目立つ。 非常に目立つ」 表情を変えずにトーマは言う。 「有名人なのか?」 ジロジロとリオはトーマとイオリを見る。 「そこそこ……な」 ポリポリと頬をかきながらトーマは答える。 「(俺は知らなかったがな)」 気難しい顔でリオは考え込む。 「まぁ、トーマがいいって言ってるし気が変わらないうちにさっさと行っちゃいましょう」 リオの表情が気になりつつもイオリは話を進める。 「明日、出発」 即予定を立てるトーマ。 「あぁ。 宜しく頼む」 トーマの思い切りの良さにリオは内心感心している。
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