第二章 冒険は突然に……。

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「で、お前さんは何処に泊まるんだ? 金ないんだろう?」 リオの身なりを見てトーマは尋ねる。 「野宿だよ、の・じゅ・く」 何故か威張るリオ。 「トーマ。 一緒に寝てあげなさいよ」 見かねたイオリはトーマに言う。 「俺は野宿何てできん。 デリケートだからな」 澄ました顔でトーマは言う。 「誰が野宿って言った? 一緒にここに泊めてあげなさいって言ったのよ」 イオリはトーマをジトーッと見ている。 「俺はそのつもりだったが?」 やっぱりすまし顔のトーマ。 「じゃあ、早く言いなさい」 イオリはため息をつく。 「言う前に話をこじらせたじゃないか」 イオリの言葉に対しトーマは言い返す。 「そうかしら?」 今度はイオリが澄ました顔をする。 「まぁ、いい。 それでいいか?」 話がこじれてきたことに気づいたトーマはさり気なくリオに話を振る。 「あ、あぁ。 助かるよ、ありがとう」 いきなり話が戻ってきてリオは焦りつつも、野宿を免れ内心ホッとしている。 「ベビーシッターだしな」 チラチラとトーマはリオを見る。 「俺は……」 「『ガキじゃない』だろ? もう聞き飽きた」 トーマはリオの話を遮って言う。
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