第二章 冒険は突然に……。

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「さてさて、お話はこれくらいでそろそろ解散ね」 イオリはパンパンと手を叩いた。 「おう。 お休み」 イオリの合図と同時にトーマは立ち上がる。 「お休みなさい」 ちょっと心配そうにイオリはトーマを見ている。 イオリの視線を気にすることもなくトーマはリオを連れ部屋を出ていった。 *** イオリと別れた後、二人は別室で床についていた。 「……なぁ、トーマ」 天井を見つめたままリオはトーマに話しかける。 「ん? まだ起きてたのか?」 話しかけられたトーマはゆっくりと目を開けリオを見た。 「あぁ。 トーマはイオリさんの恋人なのか?」 唐突にリオは尋ねる。 「違う。 幼馴染だ。 ちょっと訳アリでな、一緒に旅をしている。 俺の一つ下だし可愛い妹みたいなモンさ」 リオの質問にドギマギしながらも平静を装いトーマは答える。 「商人ってホントなのか?」 次々と質問するリオ。 「俺が偽の商人とでも言いたいのか?」 リオの質問にトーマは少しムッとする。 「いや。 何となく、そこらの商人とは違うような気がしてさ」 トーマをジッと見たままリオは言う。 「……そうか」 リオの言葉に一瞬沈黙ができる。
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