第三章 事件は突然やってくる!

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「おはよー! 今日も元気にいこう」 早朝。 小鳥のさえずる中、イオリは元気一杯に背伸びをする。 「元気過ぎてお天道様もびっくりだ」 朝が苦手なのかトーマは眠そうに目をこすっている。 「何か?」 寝ぼけ眼(まなこ)のトーマをイオリはジロリと見た。 「なんでもない」 欠伸をしながらトーマは言う。 「(押されてる、押されてる。 これが『静と動』ってヤツか)」 トーマとイオリのやり取りを見てリオはハラハラしている。 「はりきって城下町へ行くわよ!」 さり気なくイオリは仕切りなおす。 「合点承知の助。 おや? そこのリオ君。 やけに静かだな。 どうかしたか? ゲリか?」 黙ったままのリオにトーマが珍しく絡む。 「ゲリじゃないし」 トーマの言葉にリオは反論する。 「下品よ、トーマ」 イオリは大きなため息をつく。 「……で、城下町へはどうやっていくんだ?」 キョロキョロと辺りを見渡しリオは尋ねる。 「野暮な事聞きやがって」 ポリポリとトーマは面倒くさそうに頭をかく。 「馬車」 「徒歩」 リオとトーマはほぼ同時に言う。 「んな!?」 トーマの言葉にリオは驚く。
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