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その日は、雨だった。
俺は、激しく降り注ぐ雨に当たりながら家へと帰る途中だった。
「凄い雨だ。洪水にならないと良いけど」
そう呟きながら、視線を路地の方へと向けた。
そこには、魔物がいた。
「魔物、、、どうしてこんな所に」
魔物は、穢れを好む。穢れとは、人の思い。苦しみ、痛み、妬み、憎悪など負の感情に棲みつく。
稀にあるのが魔物の憑依だ。人に魔物が憑依し、人を襲う。それと同時に憑依された人間も魔物に内側から喰われ、死ぬ。
それ故、魔物を倒せる者達が必要となった。
それが魔法退魔師だ。魔法退魔師は、魔法国立学園を卒業すればなる事が出来る。その他にも、魔物研究や魔法研究など他にも道がある。
この少年、神木坂誠はその魔法国立学園の生徒だ。
神木坂は、代々魔法退魔師の家系で高成績を納めてきた家系。その次の当主が誠なのだ。
「卑しき魔の者よ、黒き魔の者よ、地獄の業火に焼かれて消えろ!!」
彼が得意とするのは火の魔法。
この世界には、属性がある。
火・水・風・地・雷・氷・光・闇。この八属性が存在する。
全ての属性は誰もが扱えるが得意な属性がそれぞれある。
だが、光と闇は別物だ。確かに誰もが扱えるが使い方を間違えると死に当たる属性だ。
「っし、家に帰るか」
誠は、急いで家へと走っていった。
そして、先程倒された魔物に近寄る者が一人。
その者は、先程の魔物を抱き上げるとその場から消えた。
「ただいまー!」
「誠、お帰りなさい」
玄関を開けると、髪を緩く一括りにし、着物を来た女性が立っていた。
「母さん、ただいま」
「誠、お帰り」
その傍らには、優しい笑みをし、着物を来た男性が立っていた。
「父さんもただいま」
誠の母、和枝と父、政成だ。
「学校はどうだ?」
「大変だよ」
「ふふっ、誠はモテるのよね」
「俺は、、、」
「知ってるわよ。でも、そろそろ気になる人ぐらいはいるんでしょう?出来たら、話してもらうわよ!」
「うっ!?」
「まぁ、頑張るが良い。因みに、父さんが母さんに惚れたのは水着姿だ」
「いやっ、ただの変態だろ!!」
誠は、机を叩き怒鳴った。
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