第一章 再開

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「彼は元気かな?」 月明かりに照らされる一室の部屋の窓に寄りかかり呟いた。 『考え事か?主よ』 暗闇の中から突如姿を現した狐がその場に座りその物に問う。 「八房、、、。いや、彼は元気かなって思っただけさ」 『主が探している人間だな?』 「そうだよ。それより、八房がここに来るって事は僕に何か用事があるんだよね?」 『ああ。主よ、どうするのだ。我々はもう準備が整っているぞ』 「僕は生憎戦いが苦手でね。君達のやりたい様にすればいいよ。僕は、彼が手に入ればいいから」 『了解した』 八房は、暗闇へと消えていった。 「待っててね。必ず迎えに行くから」 その者もまた、暗闇へと消えていった。 ☆ 紅葉が色付く季節になった。寒くもなく暑くもない丁度良い季節だ。俺は昔から秋が好きだ。 そんな事を思って学校の門を潜ると、誰かが肩を叩いた。 「よっ、誠!」 「慎二、、。どうしたんだ?」 人懐っこさそうな笑みを浮かべる茶髪の少年が誠の肩を組んだ。 「聞いて驚け!今日は転入生が来るんだ!」 「こんな時期にか?珍しいな。もう、9月だぞ?」 「まぁ、俺も思ったんだけどな。どうやら、噂によれば学園長が直々に指名して呼んだらしいぞ」 「それは凄いな」 「しかも、かなりの美少女らしいぞ」 「お前の頭は女のことしかないのか?」 誠は、呆れた様に溜息をつき校舎へと入った。 魔法国立学園。魔法を学ぶ最高峰の学校で小・中・高一貫のマンモス校だ。 クラス分けは至って簡単で魔力の量で決まり、それぞれA~SSクラスまである。 誠と慎二はどちらもSSクラスだ。 しかも成績は上位で顔もスタイルも良いと来た。こんな男性を放っておく女性はいない。 「高校一年もそろそろ終わりか」 誠は、教室に入り寂しそうな顔をした。 「そうだな。次は二年か、、、そう言えば一年の終わりに使い魔の召喚があるよな?」 「ああ。慎二、お前の理想は?」 「そうだな、、、。やっぱり四神のどれかだな」 四神。それは、神に仕える四匹の四獣。 玄武、朱雀、白虎、青龍だ。 だが、神に近い四獣の為中々契約が出来ない。
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