1人が本棚に入れています
本棚に追加
「彼は元気かな?」
月明かりに照らされる一室の部屋の窓に寄りかかり呟いた。
『考え事か?主よ』
暗闇の中から突如姿を現した狐がその場に座りその物に問う。
「八房、、、。いや、彼は元気かなって思っただけさ」
『主が探している人間だな?』
「そうだよ。それより、八房がここに来るって事は僕に何か用事があるんだよね?」
『ああ。主よ、どうするのだ。我々はもう準備が整っているぞ』
「僕は生憎戦いが苦手でね。君達のやりたい様にすればいいよ。僕は、彼が手に入ればいいから」
『了解した』
八房は、暗闇へと消えていった。
「待っててね。必ず迎えに行くから」
その者もまた、暗闇へと消えていった。
☆
紅葉が色付く季節になった。寒くもなく暑くもない丁度良い季節だ。俺は昔から秋が好きだ。
そんな事を思って学校の門を潜ると、誰かが肩を叩いた。
「よっ、誠!」
「慎二、、。どうしたんだ?」
人懐っこさそうな笑みを浮かべる茶髪の少年が誠の肩を組んだ。
「聞いて驚け!今日は転入生が来るんだ!」
「こんな時期にか?珍しいな。もう、9月だぞ?」
「まぁ、俺も思ったんだけどな。どうやら、噂によれば学園長が直々に指名して呼んだらしいぞ」
「それは凄いな」
「しかも、かなりの美少女らしいぞ」
「お前の頭は女のことしかないのか?」
誠は、呆れた様に溜息をつき校舎へと入った。
魔法国立学園。魔法を学ぶ最高峰の学校で小・中・高一貫のマンモス校だ。
クラス分けは至って簡単で魔力の量で決まり、それぞれA~SSクラスまである。
誠と慎二はどちらもSSクラスだ。
しかも成績は上位で顔もスタイルも良いと来た。こんな男性を放っておく女性はいない。
「高校一年もそろそろ終わりか」
誠は、教室に入り寂しそうな顔をした。
「そうだな。次は二年か、、、そう言えば一年の終わりに使い魔の召喚があるよな?」
「ああ。慎二、お前の理想は?」
「そうだな、、、。やっぱり四神のどれかだな」
四神。それは、神に仕える四匹の四獣。
玄武、朱雀、白虎、青龍だ。
だが、神に近い四獣の為中々契約が出来ない。
最初のコメントを投稿しよう!