第1章 発端

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「おっちゃん、ちょっと剣を借りるぜ」 ワトルはすでに死体と化している男にそう言うと 少し小さめの剣を手に取った 「母さん!どこだ!どこにいる!?」 ワトルはひたすらに母を叫びながら 魔族をなぎ倒していった 「小僧、なかなかの腕前じゃないか」 「誰だ!」 ワトルが声のする方を向こうとした瞬間 身長2mはあるかという全身真っ黒の大男に 頭を鷲掴みにされ、持ち上げられた その衝撃に耐えられずに剣を落としてしまった 「くそ!離せ!」 必死に抵抗しながら宙ぶらりんの足で 大男に蹴りを入れるが、意味をなしていなかった 「小僧、正直に答えろ。この村に双子はいるな?」 「くそ!離せ!双子だと!?んなもん誰が教えるか!」 「……根性だけは一人前のようだな」 ガッ! 「ッカハ…」 大男は容赦なくワトルの鳩尾に拳をねじ込んだ 「もう一度聞く、双子はどこだ?」 「ハァハァ、俺が双子のうちの1人だ…ゲホッゲホッ!それがどうしたってんだ」 「…ほう、そうか……ならば我々と来てもらおう、もう一人はどこだ?」 「お前らと…?魔族と一緒にか?」 「…今はそんなことどうでもいい、もう一人はどこだ?」 大男はそういうと掴んでいた手を緩め ワトルは地面に転がった
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