第1章 発端

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「ティコさんやー、ちょっといいかい?」 いざ出かけようとすると、母さんであるティコが 近所のおじさんに呼び止められた 「母さん、早くしないと馬車が出ちゃうよー!」 と、兄さんが急かす 「もー、せっかちなんだから!二人ともこの馬車で先に行ってなさい、母さんは次の馬車で追いつくからね!」 そう言って馬車賃を僕らに渡すと なにか大事な用事だったのか、母さんは呼ばれた方へ小走りに去って行った 「トナ、早く行こうぜ!この村の掟だかなんだか知らないけど15歳になるまで村を出るのは禁止だったんだ!街に行けると思うとうずうずするぜ!」 「うん、そうだね!早く行こう!」 どうやら兄さんも内心僕と同じだったらしい 2人で馬車に乗り込んだ
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