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そして、とうとう母さんが来ることなく
昼の1時を回った頃だった
「大変だー!おーい!みんなー!」
街の喧騒の中で1人、ただならぬ様子で声を上げている
「隣の村が闇族の襲撃にあった!」
喧騒は一瞬静まったかに思えた、しかしすぐに、今度は違う雰囲気の喧騒が始まった
「おい、トナ。聞いたか?」
「うん、聞こえたよ」
「帰るぞ!」
兄さんはすでに冷静ではなかった
そしてこの街の人達も
妙に落ち着いている自分がいた
自分の村に限って
自分の家に限って
自分の母さんに限って
なにかあるわけない、と
根拠のない自信がそうさせていた
僕らは再び馬車に乗り込んだ
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