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「悪ぃな、ここまでしか送れねぇや」
馬車を操縦していたおじさんが申し訳なさそうに
僕らに謝ってきた
「充分です、ありがとうございます」
そう言うと颯爽と馬車を降りて村の方へと駆けていく
途中までしか馬車が通らないところを見ると
やはり襲撃がきている事は間違いないだろう
さっきまで落ち着いていた自分が嘘のように
焦りと不安を隠せない
嫌な汗が頬を伝う
心臓が大きく脈を打つ
不思議と足が早くなったように感じた
運動の駄目な自分でもこんな体力があったのか
と、思う余裕なんてなかった
もうすぐ、もうすぐで村につく
小さなこじんまりした門があって
入ってすぐのところには馬小屋があって
さらに奥に行けば自分の家が…
目に入ったのは変わり果てた村の姿だった
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