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◇ ◇――環菜
彼女があたしの横を駆け抜けるように走り去って行った。顔は良く見えなかったけど、キラリと光るものがあった。
一つ間違えればそれはあたしだったかもしれない。
あたしはいつまでも彼女の走り去った後姿を目で追っていた。
複雑な思いで見えなくなった彼女の走り去った後をボーっと眺めていると突然、頭をガシッと掴まれた。
「痛い!!!」
「あのな・・・隠れんならもっとうまく隠れろよ。」
あたしの頭をガシッと掴んだ腕の先には湊。
「な・・・なんで?気が付いてた?」
「分かりやすすぎ。」
ばれてないと思ったんだけどな・・・。
ため息と共に湊が頭から手を離した。
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