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当然暮らし始めた頃は“同棲”なんかじゃなくて、純粋な“シェアハウス”だったけど、周りから変な目で見られないように、近所の人には“兄妹”、学校では“他人”の二重生活を始めた。
互いが互いを深く知る度にあたしたちはどんどん距離を縮めて行った。その1つが湊の失恋。初恋の美琴さんからこっぴどくフラレた。美琴さんは湊の知らないかなり年上の人と結婚すると湊に告げて去って行ったこと。
2つ目には将人の一周忌、一人で将人の墓参りをしたあたしを追いかけてきてくれてその時二人で見た花火だった。
知らないうちにどんどん距離が縮まって行って、将人のことで一杯だった心にどんどん湊が入り込んで気が付くといつも湊のことを考えるようになっていった。それは湊も同じだったらしく、あの頃のことを振り返ると『本気で好きになるとは思わなかった。』と湊は供述している。
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