――1章 新たなる日々

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 似たような境遇のあたしたちは互いのことを言葉にしなくても理解することができた。それが心地よかったのかもしれない。詳しくいろいろな事を検証すると、あたしたちは古くから因縁があることが分かっていった。  互いに惹かれあい、付き合い始めてからあたしは重大な事柄に気づいた。湊の亡くなったお父さんの腹違いの弟つまり叔父さんが将人の死に深く関与していることが分かったのだ。そのことによってあたしたちは一時的に離れ離れになったのだけれど、結果、叔父さんが逮捕されたことによって再び一緒にいられることになった。  叔父さんのせいであたしが傷つくこともあったけど、それでもあたしは湊の側に寄り添っていたかった。そのことをあたしの父も理解してくれたのか、今でもマンションの一角で“シェアハウス”を続けている。  学校では相変わらずカノ・彼を表明していないのにかかわらず、湊が部屋で過ごす感じのままあたしに接するものだから、湊の一部ファンから痛い視線が突き刺さる。あたしとしてはそっとしておいてほしいのだが・・・。
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