――1章 新たなる日々

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「慶明に商学部・・・ってあったよな。」 「商学部?」  あたしは祖父との約束で慶明の建築学科を志望することは決まっている。 「う・・・ん。何かそこに行けば“公認会計士”とか“税理士”とかになれるらしいんだよね・・・。」 「“税理士”に“公認会計士”?」 「ほら、いつかは環菜が独立して小さな設計事務所でも開いたときに“税理士”とか“公認会計士”いたら便利だろ?」 「どうして・・・?湊なら何やっても上手くやるでしょ?わざわざそんな・・・。」 「言うな。もう決めたんだ。俺は自分が表に立って何かやるより、裏からこそこそする方が性に合ってる。環菜の夢・・・応援することに決めたんだ。」 「湊・・・。」  商学部に絞ったのなら文理の選択で理系を選ぶ必要がない。商学部は文系でも十分受験が可能なのに理系を選んだ理由・・・。
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