平穏すぎる日々

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「思ったよりは早かったな。」 玄関を出た途端にこの一言。 こいつは平野拓真。成績は常に学年トップで高校一年にして生徒会役員をやっている。 俺がここに引っ越してきて、同じクラスということもあり、なんか知らないけど仲良くなったやつの1人。 「びっくりしたんですけど。なんで今日こんな早いの?」 「あのバカが今日、朝から担任に呼ばれたんだと。今回はだいぶキツめに言われたから行かなきゃいけないんだけど起きれない、ということで急遽早めに起こしに行こうと思ったんだ。」 「………………。」 無言の俺に対して特に何も言うことなく歩き始めた拓真。 ちなみに拓真の言う”あのバカ”とは俺らの学年で一番の問題児として先生方に目をつけられている如月蓮のこと。 入学して半年も経っていないのに問題児になるってある意味凄いと思うけども。 まぁ、授業ほとんどサボってるし、なんで高校に進んだかと問えば、だって遊びたいんだも~ん、と気の抜けるような答えが返ってきた。 ありがたいことなのかなんなのか、ウチの学校はここら辺の中学からエスカレーター式で大学まで行ける学校なので、成績さえ良ければ問題ない。
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