平穏すぎる日々

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蓮はテスト前にいつも拓真に教え込まれているおかげで、乗りきってきているらしい。 ちなみに拓真と蓮は幼稚園から一緒の付き合いだそうだ。 あ、俺は高校からの編入組ね。 最初は友人ができるかどうかが心配だったが、なんだかんだで校内の有名人が集まっているグループに所属(?)することになり、なんとかやっていけている。 他のやつもキャラが濃いやつばっかりだ。 ─ピンポーン …………拓真が蓮の家のチャイムを鳴らすも、応答なし。 かと思ったら、バアン!!と凄い勢いで玄関のドアが開き、とても子持ちには見えない若々しい蓮のお母様が息を切らせていた。 「ごっめん!二人とも!あいつまだ起きてないのよー!悪いんだけど起こすの手伝ってもらっていい?」 顔の前で両手を合わせて頼み込んでくる。 そんな様子に俺はあたふたしていたが、拓真は返事もすることなく、慣れたように家の中に入って行った。 しばらくして、フラフラ歩く蓮と共に拓真が帰って来た。 「いや~、拓真くんいつもありがとねぇ。」 そう言って蓮のお母様は、いってらっしゃーいと見送ってくれた。
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