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第5章私のふうちゃん
職場で私達は挨拶程度の仲だった。
意識してしまう私にふうちゃんは、笑いながら小声で、「また、お風呂入ろうね」と耳打ちする。
すると、また私の悪い癖が出てふうちゃんが、欲しくて欲しくてメールしてしまう。
「いつものところで待ってる。今日も触って欲しい」 すると、彼から返事がきて、
「いいよ。舞ちゃんの大切なとこ、いくらでも触ってあげるよ」
と、返事がくるのだった。
私は男におぼれていた。
今日は会社が休みで朝から行くところもなくだらだらと惰眠をむさぼっていた。
店は締め切りで私は接客にでることもなく、安心して家にいられた。
夫は、まるで飼い主を待つ忠犬のように、店のカウンターから離れない。
ふうちゃんは今日は休日出勤だった。
私と夫は口もきかず、同じ店内でゴロゴロとしていた。
すると、店の戸がらりと勢いよく開いたので、ビックリして私はソファーから飛び起きた。
「あんたーっ!」
その声は千恵子だった。
「千恵子、千恵子!」
夫は私がいるのにもかかわらず、千恵子を抱きしめて大声でないた。
すると、二人はそのまま、待たせてあるタクシーに乗り、どこかへいってしまった。
私は呆然とし、声もでなかった。
夫は1週間経っても帰ってこなかった。
私がやっと分かったこと。
二人はこの町から逃げだしたのだ。
もう、夫は帰って来ない。
それでも私はこの家に居座り続けた。
正式に離婚してないのだから当然だと、自分に強く言い聞かせた。
私はこの町で夫に逃げられた憐れみの妻と同情された。
その裏ではふうちゃんにいろんな事をしてもらっているのだから、笑ってしまう。
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