記憶

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美咲とは幼稚園から一緒だった。 たくさんいる友達の中の、一人だった。 お互いの家に遊びに行ったり、来たりしたこともある。 当然 美咲のママとも顔見知りで、僕の母さんのママ友だ。 「……ね、今 どんな気持ち?」 「……」 「外国ではね、こんなことは挨拶と同じなの。テレビで見たことない?……もう一度しよ?」 「嫌だ」 「じゃ、次はもっといいことしてあげる」 美咲ママは僕の口の中に自分の舌を突っ込む気持ちの悪い〝挨拶〟をした後、跪いた格好のまま 僕のズボンをずらし始める。 「何するの…!」 「博樹くん、静かにして。ほら、志織ちゃんが泣いたら大変だし」 「そ、そうだ、志織をほっといたらダメなんだ。僕はお兄ちゃんなんだから、志織をちゃんと見てないと」 掌で唇を拭いながら慌てる僕に、美咲ママが優しく言った。 「…すぐに終わるから。博樹くんは本当に志織ちゃん想いなのね。優しい子」
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