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それを無視して俺に迫り、菓子が山盛り乗ったボウルを俺へと投げた。 コントロールはなかなか。見事に頭へクリーンヒットだが、所詮ガキの力じゃ痛くも痒くもない。 「Xはチカに初めてお仕事をくれた。それがパパを殺すこと。 守るために殺す、それの何がいけないの?あなただって同じように仲間を守って殺すでしょ?」 「…確かに。」 「これはチカがやらなきゃいけないお仕事。だからパパのいる場所を教えなさい!」 「…俺は、こんなガキに父親を殺せと命令するXの神経を疑うがな。 …見ろよ、お前の周り。ドン引きじゃねぇか。」 「……………」 「こいつらの年齢から言って、お前くらいの子供がいてもおかしくないからな。重ね見られてるんだろ。」 「うるさいってば!」 そして更なる集中打。 椅子の周りには俺の血飛沫が舞う。 それを冷めた目で見る江原チカもどうかなってる神経だろう。 「言う気になった?」 「…ハッ…ハッ…ハッ…」 「言う気になったって聞いてるの!」 「…いいや?…全然。」 「…このぉ!」 「それよりそこの携帯、鳴ってたけど見なくていいのか?お前のボスかもよ?」 「……………」 乱暴に解放された髪。 ガクンと項垂れると、小さな足がテーブルに向かって歩いていく。 その間に酸素を大量に取り入れ、急ぎ呼吸を整える。 そうしてチラリと江原チカを見る。 携帯を見て、目を見開く姿がそこにあった。
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