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素直に応じる江原学。 その部下たちも、江原が納得すれば反抗的な目を伏せた。 「その部下たちはお前に任せる。精々俺に楯突かないよう調教しろよ? …それからXについて、…いや、江原チカの行動を知る限りすべて教えろ。 日常生活、過ごした場所、時間、食っているもの、どんな些細なものも思い出し、それを纏めて書面にしろ。」 「ああ、そういうことなら容易い。」 「今はそれだけでいい。終わったらまた別の指示を出す。お前の部下たちも協力させることになるが、いいか?」 「もちろん。」 「よし。…ここにいる限り命の保証はする。絶対に江原チカやXに見つからず、安全に過ごせる。だから無駄な心配は無用だ。」 「……聞いてもいいか?」 「なんだ。」 「ここはどこなんだ?見る限り、地下室のようだが。」 「ご名答。どこかという答えは、」 こいつのことだ。恐らくすぐに知ることになるだろう。 …ほら来た。 タイミングよくドアにノックの音。 それに反応した俺は「どうぞ」と一言添えると5人に注視を促す。 「………!」 「はじめまして、江原学サン?」 「…紹介しよう。ここの館長、大倉力。」 「…お、大倉?……え、お前は…」 …フッ。どうやら早速だ。
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