4

23/37
前へ
/255ページ
次へ
情報量が乏しいPSP。 しかし目を凝らせば見えるものもある。 元々持っていた知識に加え、少しでも情報がほしいところだ。 江原を館長に預けて一週間、ひたすら機会を伺いつつ見てきたが、大崎蒼依はどうやら戦う気満々だ。 緊急指令の度、真っ先に急行する。 しかもトップ4揃って。 普段のPSPなら、大体二手に別れて行動するパターンが多いからだ。 現場は主に倉原と主任・田辺。 サポートは大崎と主任・橋本。 大崎の場合、現場からの指揮を執ることも多々見られるが、橋本はあまり現場へ出向かないのが常。 そして何より、トップ4が揃って現場に出ることは、よっぽどのことがない限り皆無。 そのよっぽどのことを誘発しているのが俺であり、そこから本気度が伺える。 こうして離れて見ていれば、嫌と言うほど鮮やかな連携プレイだ。 トップ4が揃っているため、部下の人数は極少。緊急指令実働人数は精々10人程度だ。 それなのに、到着してほんの数分で解決してしまう手腕は、大崎のものか、それとも倉原のものなのか。 いずれにせよ、トップ4全員が俺より格上である事実は変わらない。 それが俺を迎え撃つため、毎回緊急指令に出動しているのだ。 これは組織側から見れば、なかなかいいパフォーマンスになっているはず。 INEVITABLEがPSPとやりあう、その警戒を強めていることを組織に知らせるものになっている。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1135人が本棚に入れています
本棚に追加