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距離にして約500m。
緊急指令出動現場を見下ろすために登った地上83mのビルの屋上で、思わず呟いた。
この距離をものともせず視線を察知する。もっと驚くのは倉原一人だけじゃなく大崎も…いや、恐らく2主任もそれに気付いていたであろうことだ。
『…何て言うかなぁ…殺気は出てないんだよね。そんなに見つめられちゃ照れちゃうじゃん。
隠れたりしないからさっさと来てみなよ。ああ、アレかな?"いつ"にするか迷ってる?
じゃあアドバイス。緊急指令終了時がいいよ?隊員に帰還命令出したあと。現場に残るのはトップ4だからね。』
『…心、その辺にしておけ。』
『……ハゲは黙ってろー。』
『やっぱり今夜は特別にしような。陸!突入を開始する。3,2,1、GO!』
『警察だ!全員動くな!』
『陸、真後ろ要注意。心、正面のドアが武器庫だからな。あと、お頭サンは非常階段から逃げてる影だと思うよ。』
『『ラジャ!』』
『頭は俺が行く。B班突入せよ!』
おちゃらけた部分があると思えば周囲へのアンテナはしっかりあり、挑発しながら仕事をこなす。
GOの合図を聞いてから『制圧完了』の声が響くのにかかった時間は2分弱。
…全く隙がない。
そう思わざるを得なかった。
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