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静かにビルを降りると、言われたことを思い出す。 緊急指令終了時、だと? そんなこと分かりきってる。 事件が解決し、気を抜いた瞬間。 部下たちが帰り、手薄になる瞬間。 (…は、誰がそんなとこ襲うか) いらっしゃいと言われてターゲットに真正面から突っ込むバカがどこにいる。 「…俺が分かってないと思うなよ?」 お互いがお互いの弱点。 それ以外にあるだろう?倉原。 昔の傷を忘れたなら思い出させてやろう。 懐から取り出した写真を一枚。 その姿を目に焼き付け、写真をピン!と指で弾いた。 「…なぁ?カワイコちゃん。」 大崎も、そして倉原も、俺に手出しできない状況。 だが奴らは100%取り戻すだろう。 しかし、絶対に出来る"隙" たとえ2主任が一緒にいたとしても、逃げ切れるはずだ。 …奴らは溺愛している。 娘の"花音"を。
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