4

29/37
前へ
/255ページ
次へ
やり易くなった状況に乗じ、ここは単刀直入に切り出す方がいいと判断。 「花音ちゃんを引き取りに来ました。隊長も副隊長も指令で忙しくて。 現在PSPは緊迫している状況なので、危険と判断したため迎えにいけと。」 「大崎さんから言われて?」 「はい。大崎蒼依、心さん、二人とも手が空かなくて、仕方なく自分が。」 「分かりました。連れてきますね。」 …出てきた保育士全員の顔が強張った。 俺に対する不信感ではなく、緊張感。 恐らく、過去にも似たような状況があったのだろう。 待つこと5分、写真と同じ顔の女の子が先生に抱かれてやって来た。 そして、俺を見るなり笑顔になった。 …グッジョブだ。花音。 先生方から見れば、親しんだ顔馴染み、と映っただろう。 「こーーー!こーーー!」 「フフ。あなたを見て興奮しちゃったわね。好きなのかしら?子供って嘘がつけないものね。」 「よく遊んでますからね。…花音、パパとママのところに行こうな。 ありがとうございました。外は危険です。急いで連れていかないと。」 「ええ、行ってください。花音ちゃん、またね。」 …計画通り、まんまと略奪成功。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1135人が本棚に入れています
本棚に追加