6/14
前へ
/255ページ
次へ
表紙を捲ると、一見エリートサラリーマン風の30代の男の写真。 「この男の名前は千歳健二、32歳。 部下はこいつが臭うと言ってきた。」 「…誰が?」 「永橋だ。」 「…永橋主任…なるほど。 た………ボス。ちょっと失礼。」 携帯が震え、それを手に席を外す。 画面を見れば、"ボス"からの着信。 「…もしもし。」 『私だ。狩りがある。』 「…いつ。」 『いや、期限は一週間だ。詳細は明日話す。BDIまで来い。11時に。』 一方的に決められた約束は、一方的に電話を切られて終わった。 ハァ…と一つ溜め息。 「…ククッ!…多忙だな。」 「失礼しました。…それで主任は?」 「ああ、そうだった。次のページ見てくれ。ここ数日間の奴の携帯通話記録だ。」 言われた通りページを捲り、その通話記録を確認する。 …さすがは永橋主任だ。ご丁寧に電波記録までついている。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1135人が本棚に入れています
本棚に追加