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「…陸、成。」 「「分かってる。」」 ただ名前を呼んだだけで、2主任が大崎と倉原の一歩後ろへ。そして、二人同時銃ホルダーに手をかける。 そのまま俺を中心に半円を歩き、大崎と倉原、そして2主任のど真ん中に俺がいる形に。 (…この動きかた…) 恐らく参加のためじゃなく、俺の退路を断つため。 俺をこの場で捕まえるためのもの。 「こんにちはINEVITABLEさん。無線でお話ししたけど"はじめまして"。」 「…俺、この位置じゃなくて、お前らがいる位置がいいんだけど。」 「俺らは別にどっちでもいいが、替わってやる代わり、花音を離せよ。」 「俺になついてるんでな。」 「…はっ!お前でも冗談の一つくらい言えるもんなんだ…って!おい!心!何ショック受けてるんだ!」 「のの、の、のんちゃん!?ママのとこにおいで?ほらっ!」 「こーー!きゃははは!」 「のんちゃん…手込めにっ…!」 「心!落ち着け!」 「…ンッ!」 「「……………」」 「……………」 パニック寸前で大崎は躊躇わずに倉原の唇に己の唇を落とす。…しかも、濃すぎるほどのもの。 よっぽど呆れた顔で見ていたのか、背後から「ドンマイ」と聞こえる声。
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