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「マーカーでラインされた電話番号、そして記録を見ると、この男が近々"X"に接触する可能性があると理解したらしい。 …ここ、この会話だ。」 置かれた資料の上に指をトントンとさせ、俺の注視を煽る。 目を落とし見れば、至って普通の会話だ。 だが、確かにある違和感。 通話記録によれば、"不可解な音"なるものが聞こえたとか。 それが何かしらの"合図"と睨んでの事だろう。 「…これ、次長には?」 「ああ、ちゃんと確認させた。」 「何か仰ってましたか?」 そう言うと、目を丸くして俺を見たボス。 「…なんだお前。あいつを信用してるのか?」 「多少は。ボスが信頼されてますからね。」 「フッ。お前の口からそんな言葉が聞けるとは思わなかったぞ。INEVITABLE.」 「…やめてください。元はと言えば、あなたが勝手に広めた通り名でしょう?」 「…否定はしないが。 …あいつは相変わらずだよ。 "別にどうでもいいんじゃない?" 二言目には"彼女が見てみたい" 会わせてやれよ。お前の美和子ちゃんに。これから先もずっと言い続けるぞ?」 「仲人でもしてくれるんですかね?丁重に断りますけど。」 「ハハッ!」と笑ったボス。 瞬間、
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