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「…っっ!!!!」 普通にカップを置いただけだった。 だが、その右手から俺の方へ飛んできたボールペンは、確実に俺の目をめがけていて。 瞬間的に身体をずらして避ける。 しかし、避けたその先にあった足の裏。 「くっ!」 「…さすがに反応早いな。」 「なんの冗談っすか!」 「冗談?まさか。」 蹴りを避け即座に体勢を整えるも、追い討ちをかけるように別の場所から蹴りが来る。 蹴りを片手で往なすと、すぐに反転したボスは左腕を流して 「……バーーン!」 「……………」 「どうしたINEVITABLE?お前は誰にも負けない未知数Xだろう?」 「…なんの冗談です。俺は最強ではありません。未知数はあなたでしょう?」 「俺?…ハッ。まさか。」 俺の眉間に冷たい感触。 至近距離だが、それが何なのか自分がよく分かる。何せ、毎日扱っているものだ。 紛れもなく、銃口だ。 ゆっくり視線を上げると、不敵な笑みで俺を見下ろすボス。 「…なぁ、煙草一本くれよ。」 「胸ポケットにあります。取りますよ?」 「ああ。自分で取るさ。」 それは一瞬。 踵で俺の胸ポケットにある煙草をピンポイントで蹴り上げ、煙草とライターがポケットを飛び出し宙を舞う。 器用に一本だけを指に挟み、"パシッ"といい音をたててライターを手にした。 その流れで俺のポケットを軽く引っ張りつつ煙草箱の角を指で弾くと、ポケットの中に。
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