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恐怖、怒り。 それらを与えるにはもってこいの脅し。 どうやらそれに関しては秀でた能力を持っているどうしようもないザコだ。 所謂"借金取りのヤクザ"だろうな。 「さぁ、どっちが見たい?鉛玉を突っ込まれる彼女か、俺のブツを突っ込まれる彼女か。 答えろよINEVITABLE!!」 「…やめろ…やめてくれ…美和子は関係ない…俺だけにしてくれよ…」 「は!認めるのか?INEVITABLEだと?」 「認めれば美和子を離すんだろ?…認める…俺がそのINEVITABLEってやつだよ…これで満足だろ?」 全身の筋肉を硬直させれば身体は小さく震えだし、瞬きをずっと我慢すれば涙目になる。 そんな俺を見て、どう思う? 「…おい、本当に合ってるのか?」 「ナイフ持ってたらしいが、それだけでも震えてたんだぜ?こいつ。」 …そう。そうなるよなぁ… 疑うだけ疑え。疑心暗鬼は隙を生む。 そこに追い討ちだ。 「…!!おい!サツが近付いてきてるぞ!サイレンの音が!」 「は!?」 「…ここに来る前に警察に通報した!逃げられないからな!お前ら!」 「…貴様!」 「バカ!分かんねぇのかよ!殺し屋がサツに近付くか!こいつは外れだ!行くぞ!」 バタバタと男たちは出ていった。 …さて、次の問題は美和子だ。
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