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そして、仕切っていた奴の顔を確認。 (…あの野郎…!) 俺が見切った"ボス"の手下。 前科7犯。現在、昨年起きた"ミンチ殺人"の容疑者として、全国に指名手配中だ。 面白そうだから殺った、と。"ボス"も呆れていた記憶がある。 あいつを匿っているのは、ただ単に自分がパクられたくないからと言っていた。 証拠を残す間抜けな大バカ。 だが、俺を殺せという命令を"ボス"がするとは思えない。INEVITABLEという存在を誰より恐れ、且つ俺から逃げられないと知っていた。 しかも今は存在さえない。 結局のところ、小金欲しさに請け負っただけ。 どうしようもないバカだ。 どうせXに殺されるというのに。 「…なかなか面白い話だな。」 「…!…誰だ!」 「どこにいる!」 壁のように積まれた段ボール。 中身は…当たり前か、武器とクスリ。 その天辺に立って声を出す。 広い工場内は声が拡散し、居場所が分からないのかキョロキョロと見回すバカども。
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