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急に背後からプレッシャーを感じ、身体を反らせて避ける。 ナイフを持った四人目が俺に突進していた。 反らせた反動で、上着のポケットに入っていた携帯がスルリと出た。 それを地面に落ちる前にキャッチし、足でナイフを蹴りながらついでに電話をかける。 蹴りあげたあとはしっかり顔面に膝蹴りを入れて。 『なんだ、黒川。最近ラブコール多いぞ。』 「うるさいですよ。」 『……何してるんだ。息遣い荒い。もしかして』 「変な想像しないでくれますか!」 五人目、足を払って倒れさせると、ジャンプして踵で額を踏みつけ意識を奪い、六人目を見ながら携帯に集中。 「現在地は分かりますよね。そこでさっきの連中を見付けました。」 『見付けた?この短時間で?』 「こいつらバカだから高速使ってたんです。偶然見付けて追いました。」 『一本道なのに!?ハハッ!傑作!』 蹴り飛ばした四人目のナイフを手にすると、六人目の太股に向かって投げ動きを止め、七人目の眉間に回し蹴りを入れて意識を奪う。 そして振り返って六人目の鳩尾に拳を入れ、前屈みになり後頭部を差し出したそこに肘を落とす。 「…ふぅー。…で、こいつら妙なこと言ってました。 都庁にいるボスを守るため、俺は秤に掛けられたようです。」 『と言うと?』 「都庁爆破の依頼、俺の首。恐らく一連の刑務所爆破の首謀者と繋がってますね。」 『…なるほど。Xの標的は都庁か。』 「そうらしいです。回収お願いできますか。尋問すれば、すぐにゲロってくれますよ。この雑魚っぷりは。」 『…向かわせる。』 Xに繋がる手掛かりは、ボスの目の色を変える。 …手掛かり、と言うより証拠だろうが。
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