22/36
前へ
/255ページ
次へ
「黒川!」 「池辺さん。どうも。」 雑魚の回収に池辺さんを寄越す辺り、ボスはどうやら回収だけで終わらせる気はないらしい。 「…ボスの命令ですか。」 「永橋が言ってたが、賢いな。」 「茶化すのはやめてください。俺は長谷部義之に会いに行かないといけないので、そっちで勝手にやってください。」 「その長谷部義之、恵が追ってる。」 「…………は!?なんで!」 「X臭い、だって。」 …クソ。 あの飛び出し注意女、人の仕事をどんどん邪魔していく。 X臭いと言われても、俺はまだ調査も接触もしてないのに。 「で?永橋主任の伝言?それともボスですか?」 「ハハッ。本当に賢い。正解は後者。 ボスは恵の行動が的を射ていると考え、行動制限をしなかったんだ。 その理由、長谷部義之が例の通話記録と同様の回線にアクセスを認めた。」 「…なるほど。では恵さんは、遠張り中ってやつですか。」 「お?警察用語。知ってんだ?」 「それくらいは。」 「俺もそれくらいは知ってる。でな、ボスは個人的に長谷部源蔵の生涯を調査中。」 「……………」 考えてみれば、そっちの方が早いかもしれない。 長谷部義之の殺しの依頼の原因、本人死亡ならばその依頼は100%無理。 だが依頼をして来たってことは、何らかの理由があり、それの消去と考える方がしっくりくる。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1135人が本棚に入れています
本棚に追加