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「それから、こいつらのボスも調べてるところだ。ま、今日中に分かるだろ。 おい。こいつら車に乗せろ。ボスのところに連れていけ。」 …なるほど。 ボス、恵さん、永橋主任の三人は、Xの証拠集めに集中したようだ。 正体を現さない者を追い詰めるのは証拠であり行動だ。 Xと解り得る犯行を徹底的に調べあげれば横の繋がりが分かってくる。 X自身がいくら用心しても、ボロが出る手下が簡単に情報をくれるものだ。 まさに、こいつらのように。 恵さんはXを断定。それに基づいた行動を起こし、ボスは容認している。 つまりボスは恵さんが正しいと判断したか、若しくは、正しくなかったとして、その断定を覆す証拠を探しているってこと。 Xが個人ではなく組織だと分かった以上、根こそぎにする気満々なのだろう。 断定しても泳がせているのがその証拠。 一度しか見たことのない"大ボス"がボスに命令したんだろうが。 「…クソ。江原チカのこともあるのに…身体がいくつあっても足りねぇ…」 「ああ、あのガキか。手伝おうか?」 「……………」 「…考えるなよ。自分でやれ。」 「…自分で言っておいて。一番まともな人って池辺さんくらいなんだから、甘い言葉を聞くと乗ってしまいそうになりますよ。」 「孤高の一匹狼じゃなかったのか。」 「その通りですよ。一人でやります。ではあとは任せました。」
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