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高層ビル用の強化ガラスは散乱することはなく、念のため確認した地上にも被害はない。
狙った位置にぶちこんだ鉛玉。
それを見てか、電子カーテンがクリアになり、キョロキョロと辺りを見回す間抜け面、都議会議員を確認。
瞬間、
「!!!」
『…ほーら、来た。生きてる?』
「……生きてますよ。」
『それはよかった。因みに、角度は君から左の20度ほど下方。』
「…確認。スナイパーもいるのか。厄介だな。」
『仕留めちゃえば?』
「やめてください。そもそも、あちらさんは今俺を殺す気は無さそうですし。」
『ずっと狙われるかもよ?』
「本望です。泳がせる方が懸命でしょう。Xの居場所へ案内してもらえる。」
Xはどうやら俺を舐めているらしい。
というか、面を拝みたいと願っている?
俺と同じような"警告"をして挑戦状を叩き付けるとは。
なかなか度胸のあることをする。
「…ではこの辺で。」
『あーー、長谷部義之は』
「ダメです。俺のクライアントですから、恵さんはもう手を引いてください。」
だめ押しに足元に一発。
すると、クスクス笑いながら電話を切り、姿を消した。
だが、俺が狙撃されるとは。
INEVITABLEになって一度もなかった事態に、若干笑みが浮かんだ。
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